~耳だけをみていても改善しないケースがある理由~
「キーンという音がずっと続いている」
「病院で検査を受けたけれど異常はないと言われた」
「薬を飲んでいるけれどなかなか変わらない」
耳鳴りでお悩みの方から、このようなお話を伺うことがあります。
耳鳴りというと、多くの方は「耳そのものに原因がある」と考えます。
もちろん、耳の病気が関係しているケースもあります。
しかし実際には、耳だけでは説明がつかない耳鳴りも少なくありません。
当院にご来院される耳鳴りの方のお身体をみていると、
・首や肩がいつも張っている
・歯ぎしりや食いしばりがある
・ストレスが多い
・呼吸が浅い
・眠りが浅い
といった共通点が見られることがあります。
今回は耳鳴りと首、顎、自律神経の関係についてお話ししたいと思います。
① 首や肩の緊張が耳鳴りに関係することがあります
耳鳴りでお悩みの方のお身体を触らせていただくと、首や肩がガチガチに硬くなっていることがよくあります。
特にデスクワークやスマートフォンを見る時間が長い方は、頭を支えるために首や肩へ大きな負担がかかっています。
首の周囲には、脳へ向かう血管や神経が集中しています。
そのため首や肩の緊張が強くなると、身体は常に力が入った状態になり、自律神経も乱れやすくなります。
近年の研究では、耳鳴りは耳だけの問題ではなく、脳が音を感じ取る仕組みやストレスの影響も関係していることが分かってきています。
実際に、
「肩こりがひどい日は耳鳴りも大きい気がする」
という方も少なくありません。
② 顎の硬さや食いしばりも見逃せません
耳鳴りの方に多いのが、歯ぎしりや食いしばりです。
朝起きた時に、
・顎がだるい
・歯が浮いた感じがする
・肩が凝っている
という方は要注意です。
顎の関節は耳のすぐ近くにあります。
そのため顎周囲の筋肉が緊張すると、耳の周辺にも負担がかかりやすくなります。
また、顎と首は連動して動いています。
食いしばりが続くと首にも余計な力が入り、さらに身体が緊張しやすくなります。
実際に海外では、顎関節の不調を抱えている方は耳鳴りを併発しやすいという報告もあります。
耳鳴りの原因が耳だけではなく、顎に隠れていることもあるのです。
③ ストレスが耳鳴りを強く感じさせることがあります
「忙しい時期になると耳鳴りがひどくなる」
「疲れが溜まると音が大きくなる」
こういった経験はありませんか?
ストレスを受けると、私たちの身体は無意識に緊張します。
肩に力が入り、歯を食いしばり、呼吸が浅くなります。
これは身体が危険に備えるための正常な反応です。
しかし、その状態が何ヶ月も続いてしまうと、自律神経は休む時間を失ってしまいます。
すると身体は常に緊張モードとなり、耳鳴りも感じやすくなってしまうのです。
耳鳴りの方が、
「静かな場所ほど気になる」
とおっしゃることがあります。
これは耳だけの問題ではなく、脳や自律神経の働きも関係していると考えられています。
④ 呼吸が浅くなっている方も少なくありません
耳鳴りでお悩みの方をみていると、呼吸が浅くなっているケースがよくあります。
本来、人は横隔膜を使いながらゆったり呼吸をしています。
しかし、
・ストレス
・猫背
・長時間のスマホ
・疲労の蓄積
などがあると呼吸は浅くなります。
呼吸が浅くなると、自律神経はさらに乱れやすくなります。
すると、
「眠りが浅い」
「疲れが抜けない」
「耳鳴りが気になってしまう」
という悪循環に陥ることがあります。
近年では、ゆっくりとした呼吸が自律神経を整える効果を持つことが知られています。
そのため耳鳴りの改善を考える上で、呼吸はとても大切なポイントになります。
⑤ 耳鳴りは耳だけでなく身体全体から考えることが大切です
耳鳴りは決して単純な症状ではありません。
だからこそ、
・耳の状態
・首や肩の状態
・顎の状態
・姿勢
・呼吸
・睡眠
・ストレス
などを総合的にみていく必要があります。
実際に当院でも、
首や肩の緊張が和らいだことで耳鳴りの不快感が軽減した方。
呼吸が深くなり睡眠の質が改善した方。
食いしばりが減って日常生活が楽になった方。
そのような方を多く経験しています。
もちろん、すべての耳鳴りが整体だけで改善するわけではありません。
しかし耳だけをみていて変化が少なかった方でも、身体全体を見直すことで改善のきっかけが見つかることがあります。
長年耳鳴りに悩まれている方ほど、一度身体全体の状態に目を向けてみる価値はあるかもしれません。
⚠️耳鳴りで病院受診をおすすめする症状
耳鳴りには首や顎、自律神経が関係している場合もありますが、中には早めに医療機関での検査が必要なケースもあります。
次のような症状がある場合は、まず耳鼻科や医療機関へご相談ください。
□ ある日突然耳鳴りが始まった
昨日までは何ともなかったのに急に耳鳴りが始まった場合は注意が必要です。
特に片耳だけの耳鳴りや聞こえにくさを伴う場合は、早めの受診をおすすめします。
□ 耳鳴りと同時に聞こえが悪くなった
テレビの音が聞き取りにくい。
耳が詰まった感じがする。
片側だけ聞こえにくい。
このような場合は耳そのものの異常が隠れている可能性があります。
□ 強いめまいや吐き気を伴う
天井が回るようなめまい。
歩けないほどのふらつき。
吐き気を伴う症状。
このような場合も早めの受診が必要です。
□ 強い頭痛や手足のしびれを伴う
・ろれつが回らない
・顔がゆがむ
・手足に力が入らない
・今まで経験したことのない頭痛がある
このような症状がある場合は、速やかに医療機関へご相談ください。
【まとめ】
耳鳴りは耳だけの問題ではなく、身体全体の状態が関係していることも少なくありません。
だからこそフィーライトでは、耳だけを見るのではなく、首や顎、呼吸、自律神経など身体全体のつながりを大切にしながら、お一人おひとりのお身体を評価しております。
長年耳鳴りでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。







