自律神経を深掘りする②
【なぜ自律神経の不調で、めまい・頭痛・耳鳴りが起こるか?】
◯はじめに
「病院では異常がないと言われたけれど、頭痛やめまいが続いているんです。」
整体院で患者さんのお話を伺っていると、このようなご相談をいただくことが少なくありません。
MRIや血液検査などで大きな異常が見つからない。
それなのに、
* 頭が重い
* フワフワする
* 耳鳴りが気になる
* 首や肩がいつも凝っている
* 寝ても疲れが抜けない
そんな状態が続くと、
「このまま治らなかったらどうしよう…」
と不安になってしまいますよね。
もちろん、症状の中には脳や耳の病気など、医療機関での検査や治療が必要なものもあります。
その一方で、検査では大きな異常が見つからないにもかかわらず、不調が続く方がいらっしゃるのも事実です。
では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
【1.自律神経は「血流」や「呼吸」と深く関わっている】
自律神経は、
* 心拍数
* 血圧
* 呼吸
* 血管の収縮や拡張
* 内耳への血流
などを調整しています。
つまり、自律神経の働きが乱れると、
身体のさまざまな場所に影響が及ぶ可能性があります。
例えば、
緊張やストレスが続くと交感神経が優位になり、
血管が収縮しやすくなります。
すると、
筋肉の緊張や血流の変化が起こり、
頭痛や肩こり、冷えなどにつながることがあります。
また、呼吸が浅くなれば、脳や身体は「危険な状態」と判断しやすくなり、
さらに緊張が強くなるという悪循環に陥ることもあります。
【2.めまいは「内耳」だけの問題ではないこともある】
めまいというと、
「耳の病気」
というイメージを持つ方も多いかもしれません。
もちろん、
* 良性発作性頭位めまい症
* メニエール病
* 前庭神経炎
など、耳そのものの異常によって起こるめまいもあります。
しかし、検査で異常がないにもかかわらず、
* フワフワする
* 地面が揺れる感じがする
* 人混みやスーパーで症状が悪化する
という方も少なくありません。
最近では、脳と内耳、視覚、首からの感覚情報のバランスが乱れることによって、
慢性的なめまいが起こることも分かってきています。
また、不安やストレスによって脳が過敏になることで、
症状が長引いてしまうこともあります。
【3.頭痛と首の緊張の関係性】
デスクワークやスマートフォンの使用時間が増えた現代では、
首や肩の筋肉が緊張している方が非常に多くなっています。
特に後頭部の筋肉や首の深い筋肉には、
頭の感覚を伝える神経と関わりの深い部分があります。
筋肉の緊張が続くことで、
* 緊張型頭痛
* 頭重感
* 眼精疲労
などが起こりやすくなることがあります。
さらに、
慢性的な痛みが続くと脳が過敏になり、
痛みを感じやすい状態になってしまうことも分かっています。
【4.耳鳴りも「耳だけ」の問題とは限らない】
耳鳴りというと、
「耳の中で何か音が鳴っている」
ように感じます。
しかし、実際に音が出ているわけではありません。
近年の研究では、
耳鳴りは脳の感覚処理や情動、自律神経とも深く関係していることが分かってきました。
ストレスや不安が強くなると、
脳は耳鳴りに対してより敏感になります。
すると、
「音が気になる」
↓
「不安になる」
↓
「交感神経が優位になる」
↓
「さらに音が気になる」
という悪循環が生まれてしまいます。
耳鳴りそのものを消そうとするよりも、
身体全体の緊張や睡眠の質を整えることで、
「気にならなくなってきた」
とおっしゃる方も少なくありません。
【5.身体は「危険」を感じると緊張する】
私たちの脳は常に、
「今は安全か?」
を評価しています。
◯睡眠不足。
◯慢性的な痛み。
◯ストレス。
◯不安。
こうしたものが積み重なると、
脳は身体を守るために警戒モードに入ります。
すると、
* 呼吸が浅くなる
* 心拍数が上がる
* 首や肩に力が入る
* 血流が低下する
といった反応が起こります。
これは異常ではなく、
身体を守るための正常な反応です。
しかし、それが長く続くことで、
めまいや頭痛、耳鳴りといった症状につながることがあります。
【6.「症状」だけではなく、「身体全体」をみることが大切】
頭痛なら頭だけ。
耳鳴りなら耳だけ。
めまいなら内耳だけ。
もちろん、それぞれの専門的な検査はとても大切です。
しかし、
『身体は一つにつながっています。』
呼吸。
睡眠。
姿勢。
首や胸郭の動き。
ストレス。
栄養。
慢性的な痛み。
これらが複雑に関わり合いながら、
今の身体の状態が作られています。
だからこそ、
症状だけを見るのではなく、
身体全体をみることが大切なのではないかと私は考えています。
◎まとめ
自律神経の不調によって、
めまいや頭痛、耳鳴りが起こる背景には、
単純に「神経が悪い」ということではなく、
呼吸や血流、慢性的な緊張、ストレスなど、
さまざまな要因が関係しています。
そして、
身体は壊れてしまったのではなく、
一生懸命に自分を守ろうとしている状態なのかもしれません。
だからこそ、
身体全体の状態を一緒に整理しながら、
原因を探していき、
回復する力を取り戻していくことが大切です。
もし、
「病院では異常がないと言われたけれど、つらさが続いている」
そんなお悩みがありましたら、お一人で抱え込まずにご相談ください。
身体の状態を丁寧に確認しながら、一緒に回復への道筋を考えていけたらと思います。







