変形性膝関節症の症例概要
来訪者
今回ご紹介するのは、階段の上り下りで膝が痛むようになり、平地を歩いていても足の痛みが強く出ていた70代女性、M.T様の症例です。主婦として毎日の家事を担っておられるM.T様は、5年ほど前から左膝の内側の痛みがだんだん強くなり、整形外科では変形性膝関節症という診断を受けておられます。整形外科で電気をあてたり湿布を貼ったりしても思うような変化が得られなかったことから、通っておられた整形外科の先生に勧められて、洋光台の整体院フィ–ライトIへご来院くださいました。そこで、当院では医療機関での診断を前提としたうえで、膝だけをみるのではなく、足首から股関節までのつながりという別の角度から、お体の状態を確かめていくことにしています。医療機関からご紹介をいただいた経緯を大切にし、膝に負担をかけないやさしい方法を選びながら進めていくことを、はじめにお伝えしました。
症状
主な症状は左膝の内側の痛みで、階段の上り下りのときが最もつらく、平らな道を歩いていても足に強い痛みが出る状態でした。変形性膝関節症とは、膝の関節でクッションの役割をしている軟骨がすり減るなどして、痛みや動かしにくさが現れる状態のことで、立ち上がりや歩き始め、階段の上り下りで症状が出やすいことが特徴です。特に、階段は片足で体重を支えながら膝を深く曲げ伸ばしする動作であるため、平地を歩くときと比べて膝にかかる負担がはるかに大きくなり、痛みが強く出やすい場面といえます。5年前から少しずつ痛みが強くなってきたという経過は、膝に負担をかける要因が長いあいだ積み重なってきた可能性を考えさせるものでした。痛みが左膝の内側に集中していたことから、足が地面につくときの膝の向きや体重のかかり方に、偏りがあるのではないかと受け止めています。
来院時の状態
来院時のM.T様は、階段の上り下りで左膝の内側に強い痛みがあり、平地を歩くときにも足の痛みを感じる状態でした。階段や歩行は、買い物や外出、家のなかの移動といった毎日の暮らしに欠かせない動作であるため、そのたびに痛みが出る状態は、主婦として家事を担うM.T様にとって大きな負担になります。実際に、膝の痛みをかばいながら歩いていると、反対側の足や腰に余計な力が入りやすくなり、知らず知らずのうちに、体全体の疲れやすさにつながることも少なくありません。整形外科で電気や湿布による処置を受けても変化が得られなかったという経過から、膝以外のところにも目を向ける必要があると考えました。こうした状況を踏まえ、痛みのある膝だけでなく、その下にある足首や、上にある股関節まで含めて、一つずつ確かめていくことをお伝えしています。
改善目標
改善目標は、階段の上り下りや日常生活での痛みをゼロにすることに定めました。階段は膝への負担が大きい動作であり、ここが楽になれば日常のほとんどの場面が過ごしやすくなるため、階段での痛みがどう変わるかを、毎回の施術で確かめる目安にしています。そのため、痛みの強さを「来院時を10とすると今はどのくらいか」という形でうかがいながら、階段と歩行のそれぞれについて、M.T様と一緒に変化を確かめていく方針としました。5年ものあいだ続いてきた痛みであるだけに、痛みが和らぐことに加えて、その状態が長く保たれることが何よりも大切です。痛みを気にせずに階段を上り、行きたいところまで歩いていける毎日を取り戻すことを、最終的な到達点として共有したうえで、施術を始めています。
初回の状態と確認したこと
来院時の症状
初回にうかがった症状は、左膝の内側が痛み、階段の上り下りで最も強く、平地を歩いていても痛みが出るというものでした。体重を足にかける場面で痛みが出るという特徴から、足が地面につく瞬間の膝の向きや、体重を受け止める足元の状態に手がかりがあるのではないかという点を念頭に置いて、確認を進めることにしています。膝は、上にある股関節と下にある足首にはさまれた関節であり、どちらかの動きが悪くなると、そのしわ寄せを受けやすい場所です。一方で、膝そのものに原因があるようにみえても、実際には足首が硬いために地面からの衝撃をやわらげられず、その分の負担が膝に集まっている場合も、決して少なくありません。このような見方から、M.T様のお体については、膝に加えて足首の状態を詳しく確かめ、過去のけがについてもお話をうかがうことにしました。
状態のチェック内容
確認にあたっては、過去のけがについての聞き取り、足首の硬さと動き、すねの部分の緊張、それに足が地面につくときの膝の向きを、順番にみていきました。すねには脛骨と腓骨という2本の骨があり、そのあいだは骨間膜(こっかんまく)と呼ばれる丈夫な膜でつながれていて、足首の動きと膝の向きの両方に、とても深く関わっています。まず、足首の関節がどの方向にどれくらい動くかを左右で比べ、次に骨間膜に触れて、緊張の強さや引っ張られている方向を確かめました。膝については、骨の並び方、つまりアライメントを、立った状態と、足を一歩踏み出して地面につく瞬間の両方で確認することが、歩行時の痛みを考えるうえでは欠かせません。あわせて、足首から膝、股関節にかけての動きが、歩くときに無理なくつながっているかどうかもみています。
検査の所見
聞き取りの結果、M.T様は大学生の頃に左の足首を捻挫されており、かなり重い捻挫だったことがわかりました。その足首には現在も硬さが残っており、硬くなった部位がすねの骨間膜を引っ張っているために、その上にある膝のアライメントにまで、長いあいだ影響が及んでいると考えられます。さらに、足が地面につく瞬間の膝のアライメントが崩れており、接地のたびに左膝の内側へ負担が集まりやすい状態になっていました。昔の捻挫による足首の硬さが骨間膜を通じて膝へ伝わり、歩くたび、階段を上り下りするたびに膝の内側に負担をかけ続けてきたことが、5年前から痛みが強くなってきた背景にあるのではないかという見立てを立てています。なお、これらは聞き取りと、手で触れて確かめたお体の状態に基づく見立てであり、病気を診断するものではないことを、あらかじめお伝えしておきます。
変形性膝関節症へのアプローチ方法
提案した改善方法
ご提案したのは、痛みのある膝に直接働きかける前に、捻挫の影響が残っている足首の状態を整えるという進め方です。足首の硬さが骨間膜を引っ張り、接地時の膝のアライメントを崩していると考えられたため、原因と思われる足首から整えることが、膝への負担を減らす近道になると判断しました。そのうえで、足首に対しては、筋肉や靭帯といったやわらかい組織に働きかける軟部組織テクニックと、骨や関節に対するインダイレクトテクニックを用いることをお伝えしています。インダイレクトテクニックとは、組織が動きやすい方向へ導いてゆるんでいくのを待つ、とてもやさしい方法のことで、強く押したりひねったりすることはありません。痛みが落ち着いたあとには、足首から股関節にかけてのトレーニングを行い、良い状態を保てる体をつくっていくことも、あわせてご提案したものです。
アプローチの回数と頻度
施術は1回40分で、はじめは1週間に1回の頻度で通っていただきました。週に1回という間隔は、施術で整えた足首の状態で日常生活を送っていただき、階段や歩行のときの膝の様子がどう変わったかを確かめたうえで、次の施術に活かしていくのに合っていると考えたものです。その結果、週1回の施術を2回行ったところで、ご本人のお話として、階段の上り下りでも平地の歩行でも、痛みが10分の0、つまり痛みを感じない状態になりました。それからは通院を2週間に1回に切り替えて、足首から股関節にかけてのトレーニングを行い、6回目で終了としています。ただし、変化が現れるまでの回数には個人差があり、すべての方が同じ経過をたどるわけではないため、お体の状態を毎回確かめながら、一歩ずつ進めていくことが欠かせません。
期待される改善内容
このアプローチによって期待したのは、捻挫のあとから続いていた足首の硬さがゆるんで骨間膜の引っ張りが減り、足が地面につくときの膝のアライメントが整っていくという変化でした。接地時の膝の向きが整うと、歩くときや階段を上り下りするときに左膝の内側へ集まっていた負担が分散されるため、5年前から続いてきた痛みが軽減していくと考えられます。加えて、足首がやわらかく動くようになれば、地面からの衝撃を足元でやわらげられるようになり、膝にかかる負担そのものも減っていくでしょう。足首から股関節にかけてのトレーニングは、整えた状態を支える力をつけ、痛みを繰り返しにくくすることをねらいとしています。こうして、足首の調整とトレーニングという2つの段階を踏むことで、階段でも日常生活でも痛みのない状態を目指して、施術を進めていくことにしました。
施術内容と経過
施術の詳細
施術では、はじめに捻挫の影響が残っていた左の足首に対して、軟部組織テクニックを行いました。足首のまわりの硬くなった組織にやさしく手を当て、こわばりがゆるんでいくのを待つように進めていくと、足首の動きが少しずつ出てくるのに合わせて、すねの骨間膜の緊張も和らいでいくのが感じられます。続いて、足首の骨と関節に対してインダイレクトテクニックを行い、捻挫のあとから続いていた足首の状態が、本来の動きに近づくよう調整しました。足首が整ってきた段階で、足が地面につくときの膝のアライメントをあらためて確かめ、接地の仕方についてもお伝えしています。このように、1回40分の施術のなかで、膝に強い刺激を加えることなく、足首から順に整えていくことを大切にし、痛みが落ち着いてからは足首から股関節にかけてのトレーニングへと進めていきました。
患者様の反応
足首への施術を行っていると、M.T様は膝が温かくなるような感覚があるとお話しくださいました。足首の硬さがゆるんで骨間膜の引っ張りが減り、膝のまわりのめぐりが良くなり始めたことが、膝の温かさという形でM.T様に感じられたのではないかと、当院では考えています。膝に直接触れていないにもかかわらず膝に変化を感じられたことは、足首と膝がつながっていることを、ご自身の体で確かめていただく、とても大切な機会になったといえるでしょう。同時に、大学生の頃の捻挫が今の膝の痛みに関わっているというお話は、意外に感じられる方が多いため、なぜ足首をみるのかをご説明しながら進めることを大切にしました。施術はいずれもやさしい力で行っており、膝に痛みのある方にも、負担をかけずに受けていただける内容になっています。
経過の確認
経過をたどると、変化は早い段階で現れ、週1回の施術を2回行ったところで、ご本人のお話として、痛みが10分の0になりました。5年前から少しずつ強くなってきた痛みが2回の施術で感じられなくなったことは、足首の硬さという、膝から離れた場所にあった要因に働きかけたことが、M.T様のお体に合っていたためではないかと考えています。その後、通院を2週間に1回に切り替え、足首から股関節にかけてのトレーニングを行いながら、階段や歩行のときに良い状態が保たれているかどうかを、毎回確かめていきました。間隔をあけても痛みが戻らないことを確認できたことを受けて、足首のストレッチングと接地の仕方をお伝えしたうえで、6回目で施術を終了としています。痛みが落ち着いたあとにトレーニングの期間を設けたことが、良い状態を保つ支えになったと考えられる点が、この症例の経過の特徴といえるでしょう。
結果と改善状況
最終的な状態
最終的には、階段の上り下りでも痛みがなくなり、日常生活でどんなに歩いても痛みが出ない状態になりました。階段が最もつらく、平地を歩いていても強い痛みがあった来院時と比べると、当初に掲げた「階段の上り下りや日常生活の痛みをゼロにする」という目標に、到達することができたといえます。具体的には、捻挫の影響が残っていた足首が整い、骨間膜の引っ張りが減って、接地時の膝のアライメントが整ったことが、こうした変化につながったと考えられます。もちろん、変形性膝関節症そのものは医療機関でみていただくものであり、当院の施術は膝の変形そのものを変えるものではなく、医療機関での対応に代わるものでもないことを、ここに添えておきます。目標に到達されたことを受けて、ご自宅で続けていただくストレッチングと接地の仕方をお伝えしたうえで、6回目で施術を終了としました。
患者様の感想
M.T様からは、階段の上り下りが痛くなくなり、日常生活でどれだけ歩いても痛みが出なくなったとうかがっています。
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません
5年ものあいだ痛みと付き合ってこられただけに、階段を気にせずに上り下りできるようになったことは、M.T様にとって、とても大きな変化だったのではないでしょうか。施術のあいだに膝が温かくなる感覚があったというお話も、膝ではなく足首から整えていくという当院の進め方を、ご自身の体で感じ取ってくださったものと受け止めています。とはいえ、今回の変化は、足首から股関節にかけてのトレーニングや、ご自宅でのストレッチングに取り組んでくださった、M.T様ご自身の努力があってこそ得られたものです。整形外科の先生からご紹介をいただいた経緯もあり、医療機関と連携しながらお体を支えていくことの大切さを、洋光台の当院としてあらためて感じた症例でした。
生活の質の向上
階段でも平地でも痛みを気にせずに動けるようになったことが、M.T様の生活における何よりの変化です。階段の上り下りがつらかった頃は、外出先や家のなかで段差を前にするたびに身構えておられたと考えられますが、痛みがなくなったことで、安心して足を運べるようになったといえます。どんなに歩いても痛みが出ないという状態は、買い物や家事、外出といった主婦としての毎日の動きを、身構えることなく、ご自分のペースでこなせることにつながるでしょう。また、足が地面につく位置を意識できるようになったことは、膝だけでなく、足首や股関節への負担を減らすことにも役立ちます。痛みを気にせずに歩けることは、これからの年月を自分の足で元気に過ごしていくための、確かな土台になるものです。
総括とアドバイス
改善方法の総括
今回の症例では、変形性膝関節症と診断されていた左膝の内側の痛みに対して、大学生の頃の捻挫による足首の硬さと、それに伴う接地時の膝のアライメントの崩れに着目しました。痛みのある膝に直接強い刺激を加えるのではなく、足首の硬さが骨間膜を通じて膝に影響していると見立て、足首を軟部組織テクニックとインダイレクトテクニックで整えることを優先しています。そこで、週1回の施術を2回行ったところ痛みを感じない状態になり、そのあとは2週間に1回のペースで足首から股関節にかけてのトレーニングを行って、6回目で終了となりました。膝の痛みであっても、何十年も前のけがや足元の状態まで確かめることで、手がかりが見つかる場合があることを示している症例です。ただし、同じ変形性膝関節症と診断されていても、膝の状態や背景はお一人おひとり異なるため、全身を確かめたうえで、その方に合った方法を選ぶことが何よりも大切になります。
再発防止のためのセルフケアアドバイス
再発を防ぐためのセルフケアとして、M.T様には足首のストレッチングと、足が地面につくときの接地の仕方をお伝えしました。足首のストレッチングは、施術で整えた足首のやわらかさを保ち、骨間膜が再び引っ張られて膝のアライメントに影響が出ることを防ぐために、ご自宅で続けていただくものです。接地については、歩くときに足のどこで地面につくとよいのかを、実際に歩いていただきながら具体的に指導しています。というのも、足のつき方が変わると、その瞬間の膝の向きや体重のかかり方も変わるため、接地の位置を整えることが、膝の内側への負担を減らすことに直接つながるからです。あわせて、どちらも痛みの出ない範囲で、毎日の生活のなかに少しずつ取り入れていただくことが、良い状態を長く保つためのポイントになります。
洋光台で変形性膝関節症にお悩みの方へ
引き続きのケア提案
M.T様には、足首のストレッチングと接地の仕方を続けていただくようお伝えし、施術を終了としました。痛みが落ち着いたあとに大切になるのは、ご自身の体の特徴を知ったうえで、歩き方や運動といった日々の過ごし方を自分で整えていけるようになることであり、当院ではその方法をお一人おひとりに合わせてお伝えしています。変形性膝関節症と診断され、階段や歩行のたびに膝が痛む状態が続くと、「年齢のせいだから仕方がない」と、あきらめに近い気持ちで過ごしておられる方も少なくありません。だからこそ、洋光台の整体院フィ–ライトIでは、膝だけでなく、足首や股関節、過去のけがまで確かめたうえで、その方に合ったやさしい施術をご提案しているのです。施術を終えたあとも、膝や足の状態に気になる変化があれば、いつでもご相談いただけます。
再発予防の方法
再発を予防するためには、足首のストレッチングを続けることと、足が地面につく位置を意識して歩くことの2つが土台になります。足首がやわらかく保たれ、接地時の膝のアライメントが整っていれば、歩くときや階段を上り下りするときに膝の内側へかかる負担が減るため、日々の取り組みは、痛みを繰り返さない体をつくるうえで大きな支えになるものです。特に、長く歩いた日や階段の多い場所へ出かけた日には、足首やふくらはぎに疲れがたまりやすいため、その日のうちに足をゆるめる時間をつくることも意識していただくとよいでしょう。過去に足首を捻挫されたことがある方は、年月がたってから膝に影響が出てくることもあるため、気になる場合には早めにご相談いただくことをおすすめしています。
洋光台周辺で、変形性膝関節症による膝の痛みにお困りの方は、一人で抱え込まず、まずは当院へご相談ください。整体院フィ–ライトIでは、初めての方にも安心して受けていただけるよう、お体の状態やお悩みをうかがう時間を十分に取り、痛みを伴わないやさしい施術で、お一人おひとりのペースに合わせて進めております。「階段の上り下りがつらい」「歩くと膝の内側が痛む」という方にこそ、一度お体の状態を確かめさせていただければ幸いです。なお、ご予約やご相談は、お電話またはホームページの予約フォームから受け付けておりますので、ご都合のよい方法をお選びいただけます。階段も外出も、痛みを気にせずに楽しめる毎日に近づくためのお手伝いができれば、これほど嬉しいことはございません。どうぞお気軽にお問い合わせください。








